たゆたう生活

生活の記録です

寂しさを想像して泣く

2020/02/18

年長の娘の音楽発表会があった。園内で行うこぢんまりとしたものだ。

歌も演奏も大好きな娘は、少し緊張した様子だったが客席まで聞こえる声で歌い、立派に演奏していた。

最後の合唱は「あたらしい明日へ」という曲だった。
園での成長や、周りの人への感謝を歌う内容の歌だ。

練習期間に娘が「ママが喜びそうな歌を歌ってあげる」とその曲を歌い出しただけでわたしは泣きそうになった。

(昔は【感動できる・泣ける】と謳う映画やドラマ、本を毛嫌いしていたころもあったけど、今となってはまんまとおいおい泣いてしまうようになった。
素直になったということにしておく)

その歌を、年長全員元気な声で歌っている。
しかしふと見ると、目に涙をためている子が何人か。気づいた範囲では全員男の子。
しばらくすると、娘の隣の男の子がこらえきれずボロボロ涙を流し、しまいには嗚咽し始めた。

すごい!
若干6歳にして、歌っている歌の歌詞をしっかり理解し、これから現実で訪れる卒園のあとの気持ちと重ね、寂しさを想像して泣いているのだ。たぶん。
なんて賢く、情緒の育った子なのだ…!
周りのオトナたちがもらい泣きする気配を感じた。(もれなくわたしも)

娘はふと隣のその子を見て、一瞬驚いた顔をし、また前を向いて変わらず歌い始めた。

素晴らしい音楽発表会だった。観客たちも盛大な拍手をおくっていた。

帰宅してから娘に聞いた。
「○○くん、泣いてたね。気が付いた?」
「うん。でも、なんで泣いてたんだろう?」

説明しても娘にはピンとこないようだった。