たゆたう生活

生活の記録です

流れ星を見つける

再開

夏休みからぼんやりしていて日記が途切れていた。

遡って書く気でいたが、もともとこの日記は何もせずにいると絶対忘れていく、子どもの些細な一言や行動を忘れずにいたくて始めたんだった。

空いた日があってもあんまり気にせず鮮度がいいうち書ける日に書くスタンスに切り替えることにする。

 

2020/09/12

家族で初めてキャンプに行った。

家族じゃなくてもキャンプは小学生5年生のころに地域の任意参加のイベントに1度行ったきりだったので(それはもう常設されているテントに寝るだけだったので)、人生初といっても過言ではないくらい素人。

夫も人生初キャンプ。

素人家族だ。

 

ちょっと前から必要そうなものを調べては買い、を繰り返していた。

そもそも自宅以外で寝泊まりするのは正月の実家以来で、久しぶりの旅支度にも戸惑った。

山盛りの荷物を積んで、出かけた。

 

キャンプ場は遠く、片道3時間近くかかった。

そんな遠出は1年以上ぶりだったので、娘も長男も1時間もしないうちに「いやいや、遠いとは言ってももう着くでしょう?」と根拠のないことを言っていた。

見慣れぬ景色にいろいろな感想を言い合って過ごした。

次男もご機嫌で車内のDVDを見ていてくれて助かった。

 

今回は、初心者向けのプランを予約していたのでスタッフさんが設営の手伝いをしてくれる。

初心者夫婦、ベテランの友人などと一緒に行けないこのご時世に非常にありがたい。

 

眠そうな次男をベビーカーに乗せて近くで待機させ、わたしと夫がスタッフさんに手伝ってもらいつつテントを張る。

娘と長男は近くで虫を追いかけたり芝生を転がったり思い思いに過ごしていた。

 

長男がおっかなびっくりトンボを素手で捕まえたところ尻尾を指に巻き付けたらしく「うわぁ」と情けない声を上げて手を離して涙目になっていた。

長男はもともと虫が苦手だったのに、あつ森や幼稚園で読んでもらった本の影響で突然虫取りに興味が出てきているようだ。

その後もいろいろな虫を見つけて騒いでいた。

 

次男は設営の間、ベビーカーに乗ったまま昼寝していた。親にとって一番ありがたいタイミングだ。

 

落ち着くころに次男も目覚め、コンビニで買ったおにぎりをみんなで食べた。

いつも運動するとやたらと食べる量が増える長男は、さんざん走り回ったのでわたしと同じくらい食べていた。

 

キャンプ場でやっていた子どものスポーツイベントに参加してみる。

娘も長男も負けず嫌いの完璧主義者で、うまくいかずに何度もチャレンジしていた。長男は泣きべそをかきつつも諦めない。おお、時間が過ぎて行く……。

 

わたしは脱走する次男を追いかけ回しつつ、必死な娘と泣く長男を横目で見ていた。

諦めが悪すぎてなかなか厄介なときもあるが、諦めずにチャレンジする心意気は尊敬する。

 

思ったより子どものイベントで遅くなったが、大人向けのイベントにもさっと参加できた。

そちらは早めに切り上げ、夕飯の支度にする。

子連れのキャンプ初心者は凝った料理を作るより自然を満喫したほうがいい、と夫が何かで読んだらしく、簡単メニューにした。

夫が火を起こして網で棒つきウインナーを焼き、パックのカット野菜を使って鉄板で焼きそばを焼く。

わたしは子どもたちの世話や雑用担当、という役割分担になっていた。何しろ物をとったり、腹が減って待ちきれないと怒る次男に簡単な食べものを与えたり忙しい。

 

用意をして食事をとっていたら、あっという間に暗くなった。

いわゆる満天の星空が頭上に広がっていった。

 

そして、暗闇がこんなに不便だったなんて忘れていた。

ランタンを灯し、次男以外はライトを首からぶら下げた。

 

(この数ヶ月で我が家にアウトドアグッズが急増したが、かなり防災用品としてもレベルアップできた。首にかけるライトはかなり便利だな)

 

食事は、最後にマシュマロを焼いてリッツで挟んで食べ、終了。

簡単メニューでも十分おなかはふくれたし、小さい子ども3人いると初心者には確かにこれが限界だ。

風が強く、寝ている間にもろもろ飛ばされないように片付ける。

 

車で15分ほどの温泉施設に行こうと思っていたのだが、行くタイミングを逸してしまった。

キャンプ場の無料シャワーブースも混む時間帯のようなので、あきらめて寝ることにする。

設営を手伝ってくれたスタッフさんが「キャンプってそんなもん(風呂入らずに寝ちゃうのもよくある)ですよ」と笑って教えてくれたので信じることにする。

 

温泉をやたらと楽しみにしていた長男が半泣きで文句を言っていたので、別の機会に温泉施設に行く約束をした。

ごめんよ。素人夫婦には時間管理が難しかった。

 

大量の星を見たのは久しぶりだ。

わたしがテントの中で次男の寝る支度をしている間に、夫と娘と長男はテントの外で横になって空を見ていた。

わたしは子どもたちと手を繋いで星を見て「すごいねー!」とはしゃぎつつテントとトイレを往復した。

 

あれ、これ、なんかものすごく幸せだぞ?

晴れてよかった。

 

5人で寝るにはぎゅうぎゅうのテントの中で、風の音に恐れたりもしたが、子どもたちは無事眠った。

 

それにしてもキャンプというのは一周まわった娯楽だな、と思う。

金を出してわざわざ不便さを楽しむとは。

 

自分からは行こうと思わなかっただろうけど、面白い経験だ。

まだまだ知らない面白い世界があるのだろうな。

 

テントの出入口の外側に出て、夫と缶チューハイを1本ずつ飲み、星を眺めた。

 

流れ星を見つけた。

何年ぶりだろう。

 

いつまでも星空を眺めていたかったが、体力を温存しないとまずそうだ。

寝返りもうちにくい狭さのテントで、早めに寝た。